清水もつカレー総研事務局・清水ブランド大作戦事務局

2008年11月09日

視察報告・大阪粉浜商店街

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街
大阪住之江区の粉浜(こはま)商店街への視察。
有名な住吉神社のすぐ北隣にある商店街。
コミュニティあふれる商店街で、本当に素晴らしいと思った。
しかし、ご本人たちはそのことを当たり前だと思っていて、あまり意識していないようだった。

関西方面によくある、道幅3~4mのアーケード街

商店街の生き残りとして大型店と差別化すること、
そのキーワードとして「つくる・なおす・はなす・あるく・たまる・すまう・まじわる」を
元静岡総研の主任研究員山本知成さんがいっていたが、それがある。

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街
この二軒はともにはんぺんやさんなのだが、店先にフライヤーがあって、白身の魚肉をすくってはあげている。本当においしそうで、熱々の揚げたてをおもわず買ってしまった。

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街
(左)豆腐屋さんも店先で一生懸命作業しているし、(右)の魚屋さんはトロ箱を台にして、主人が魚の頭を包丁でガツガツ切り開いていた。帰り道では、店先でその包丁を研いでいた。

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街
漬け物やさんは樽から直に売っている。これならできたて、自家製ということがわかる。さらに製麺所が店頭で麺を売っている。
これなら食の安全とことさら云わなくても、安心して買える。
顔の見える人が作り売っている。そこで何十年も商いをしている顔見知りから買えば大丈夫!
どこか見知らぬ遠くの誰だかわからないところで作られ、腐らないような保存料や見た目のきれいな添加物など入っていない食べ物!
商店街では当たり前だったものが、いま当たり前でなくなっている。この商店街にはそれが残っている。


視察報告・大阪粉浜商店街
そしてお総菜も、その日にその店でつくられたものが、量り売りで売られている。パックに入れられていないから、好きな量だけ買えるのだ。安全、安心はいうまでもない。

視察報告・大阪粉浜商店街
そして、ホスピタリティとコミュニティ。
手前のお年寄りがこの果物屋にさしかかると、若い女の子の店員が、
「いつものやつでいいか?」と問いかけ、いつも買うのであろうバナナを一房出す。
お年寄りにはぜったい必要な商店街だ。

別の場所では、小さな子供がおもちゃを得意げに持っていると、店の主人が
「ええなぁそれ、おっちゃんも欲しいなぁ、どうしたねん、おかぁちゃんにこうてもらたか?」
なんて会話が行き交っている。


視察報告・大阪粉浜商店街
昆布屋さんの前では、おかみさんがお客に出汁の取り方をていねいに教えている。
商品の情報や使い方を、生身の人間から直接聞けるのはずいぶん素敵なことだ。
本やテレビやインターネットからの情報より、ずっと確かだし、必要な情報だけをマンツーマンで聞ける。これも商店街ならではないだろうか。


視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街  もちろん肉屋八百屋も新鮮できちんと食べ方や旬のものを教えてくれそう。今日はこんなものが入って、これが旨いと会話ができる。
スーパーで黙って、値段を見て買うのとどちらが楽しくて豊かなんだろう。絶対こういうところで買う方が楽しいと思う。何度もいうようだけど、安全安心だし。


視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街

もちろん食べ物やさんだけでなく、文具屋・寝具店・靴店・帽子店と小さいながらもそろっている。あまりに小さいので、そのまま店主と顔合わせというくらいの店が多い。存在感が商品と店の人が同じくらい。私たちの商店街では、商品のほうが人より幅をきかせている。スーパーなどはその人の気配を消そうとしている。

視察報告・大阪粉浜商店街 視察報告・大阪粉浜商店街 商店街を抜けたところには「出世地蔵」、商店街のなかにもお地蔵さんがある。地域の歴史も残っている。そこに人が暮らしている。

視察報告・大阪粉浜商店街
戸板を並べた魚やさんで、腰の曲がったおかみさんが、元気に働いている。
これはいい、いくつになっても死ぬまで働ける。


視察報告・大阪粉浜商店街
最後に、こんな焼き鯛だけの単一商品を売っている専門の魚屋さんがあった。
この店もお年寄りが商っていた。これは絶対信用できる。
すごいことだ。こんなサプライズがいっぱいあって、
本当に「まちはみんなの宝箱」
楽しい粉浜商店街でした。


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Posted by クールなお at 21:02│Comments(7)まちづくり
この記事へのコメント
こういう雰囲気って、一般的には「市場」と呼ばれるよな
ところですね。市場はなんかワクワクしますが
商店街、というとなんか今は、活気が不足しているっていう
イメージがつきまとうような気がします。
野菜も、果物も売ってるものが露出しているのがいいですね。
ちょっと前にやりたいとおもっていた
「青空市場、、、」トロ箱や、コンテナなどのさりげない
ものがいい雰囲気醸し出すんじゃないかって思いました。

それにしても、仕事とはいえあっちこっち行けていいですな!!!
Posted by チャオクボ at 2008年11月09日 22:16
もう大昔の話ですが、大阪の商店街で3年ほど勤めていたことがあります。
まさにこんな感じでした。
ブログを見ていて、その時の商店街を思い出しました。

当時、フライ屋さんと天ぷら屋さんが軒を並べているお店があって、
どっちのお店も「おっちゃん、〇と〇を揚げてんか?」、と言うと、
「あいよ!まいどおおきに!」って言いながら、サッとその場で揚げてくれたり、
冷めてる揚げものを買う時も「熱々にしてんか?」、と言うと、
サッともう一度油を通して熱々にしてくれたりしました。
今ならレンジでチンだけど、その頃はなかったですからね。

行きつけのお店、顔なじみのお客、う~ん、やっぱり商店街っていいなあ☆
Posted by むらまつ at 2008年11月10日 05:17
ここ、なおさんレポーターで番組できますよ。
商店街フリークとしては、画像だけでワクワク。テーマパーク並み。この報告を見ると、皆さん商店街に『ないもの』ばっか探しますが、実は色んな意味も含めて『あるもの』が多いですね。
私は出先でも必ず地元の商店街に足が向いちゃいますよ。

しかし最後の焼き鯛屋さん、すごいっ、感動!
八兵衛、ひれ伏して買っちゃいます。こんな店あるんですね!。
(明日は残念ですが、14日はよろしくお願いします)
Posted by 八兵衛 at 2008年11月10日 22:14
>チャオクボさん
見ていて思いついた言葉が、「露天商の集まり」、商売の原点を見るような気がしました。戸板に並べて店頭で売る、店のなかは倉庫然としている、または作業所。作りたての商品が店先に並んでいる。
道路に関する公安の規制が、まちの活気をそいでいる、と思えてなりません。

あっちこっちへは、時間というワタクシの持つ少ない資産をかけてミッションを遂行の為に行っているのです。
楽しいですよ。
Posted by クールなおクールなお at 2008年11月11日 07:49
>むらまつさん
こんな商店街が近くにあったら、スーパーなんか行かないね。
商品があっても、人がいないもの。
アツアツのさつま揚げ、旨かった。
自分ちの商店街にたりないものを、見せつけられました。
「ポスト商店街」ということを藤枝の蒔田さんというかたが言っていたけど、一週遅れのトップランナー、これから必要とされるものをすべて持っていた商店街と思いました。
無くなったら困る商店街、そういう商店街にしたいし、みんなにもそう認識してもらいたいモノです。
Posted by クールなおクールなお at 2008年11月11日 07:56
>八兵衛さん
わたしも地方商店街はテーマパークだと思います。
その地域の人の大げさに言うと生き方がわかる。どんな顔つきの人がどんな服装で、何を好み、何を食べ、どんな言葉をしゃべり、どんな年齢の人が出歩いていて、ねぇちゃんのファッションは、おばちゃんの元気は、そんなのも見るのが楽しい。

最後の焼き鯛屋さん、帰り道といっても午後1時くらいだけど、往きにはもっとたくさん並んでた。驚きの単一商品販売、超専門店ですね。
Posted by クールなおクールなお at 2008年11月11日 08:01
チャオクボさんに一票!

なるほど、市場ですね!!
市場であればまさに地産地消。
市場であれば賑わっているような気がする。
(裏付けがなくてすみません)
なんだかなるほどと思っちゃいまして、
コメントしちゃいました。
Posted by sue at 2008年11月13日 00:01
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