清水もつカレー総研事務局・清水ブランド大作戦事務局

2009年01月25日

追分の不動明王

追分の不動明王

昨年行った「おもしろ清水まちあるき」の続編として
静岡鉄道桜橋駅-狐ヶ崎駅間の下調べにいく。

この追分の旧東海道は何遍車で通りすぎたことだろう。
もちろん歩いても、自転車でも通りすぎたことはあった。

この赤いのぼり旗を眺めて通りすぎていた。

このお堂は、このあたりでも古く、室町時代の様式をそなえ、
県の文化財にも指定されている。

お堂の正面は閉ざされていて、
建物を眺めていると、隣接する御当主の奥さんがおそうじをしている。

脇の戸が開けられているので、お断りさせてもらい上がらせてもらう。
その様子に驚いた。

追分の不動明王
大きな厨子の前に不動明王が立ち、
その両脇に脇侍の制吒童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)が控えている。
左の奧には、役行者の像が祀られている。

不動明王の前には結界が結ばれ護摩壇がある。

相当の年代を経てきているとみえるが、
観光地のようにきれいにされているわけではないが、
現在も営々と加持祈祷が行われている様が見てとれる。

御当主がいたのでお話を聞く。
毎月28日を月例祭として護摩を焚いてお祈りをするという。

真言宗は、最澄の比叡山、空海の高野山があるが、
日本にはそれ以前から、山に籠もって
験力を修め、病気の治癒や吉兆の占いなどをしていた修験者がいた。

それが、この御不動産にも営々と引き継がれている。

かつて人は、山林という濃密なる空間とともにあった。
始原のはるか彼方の遠い記憶である。
その地で、一個の人間は、己の全感覚を解放させて、
無数の生命の呼吸を直に感じ、精霊たちと向き合っていた。
それらは人を呪縛し、緊張を強いることはあったが、
自然と一体化することで人も生き永らえることができた。
その後、平地に住み処を移した人間にとって、
いつしか山は、混沌とした闇と荒ぶる力に充ち満ちた
大いなるカミが司る禁忌の場所へと変貌していく。
けれども、自然の恵みと特別な魔力の誘惑に抗しきれず、
人は再び山に入る。
失った始原の感覚を取り戻すために、
日常の中で放棄した神々の存在を実感するために。
   (修験道の本)


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Posted by クールなお at 20:40│Comments(2)our town
この記事へのコメント
まちあるき続編も楽しみですね。
すでに追分という名前でワクワクします。

祈祷の様子を覗けるものなら拝見したい。。
そして、修験道の本が非常に気になります!
Posted by ゆいまーるゆいまーる at 2009年01月29日 06:32
2月の28日は大祭だそうなので時間を作り参加したいです。
「修験道の本」「神の山へ 山岳宗教の源流を行く」

ナチュラリストのゆいまーるさんには、是非読んで欲しいですね。
自然とともにあった日本人の信仰は現代によみがえらせる必要があると思います。
Posted by クールなおクールなお at 2009年01月30日 11:06
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    コメント(2)