清水もつカレー総研事務局・清水ブランド大作戦事務局

2009年02月03日

辺見庸 夕刊とETV特集

辺見庸 夕刊とETV特集
2月1日のNHK教育ETV特集
「作家・辺見庸・しのびよる破局のなかで」

今直面する危機とは・・・▽秋葉原通り魔事件に見る若者たちの孤独▽80年前・大恐慌時代の猟奇歌との奇妙な符合▽現代を読み解く鍵はパンデミック感染爆発▽カミュ著”ペスト”が示す”誠実さ”とは▽今こそ人間の真価を問い直すとき

このテレビ欄を見て録画。まだ見終わっていないが、2日の静岡新聞夕刊に辺見庸のインタビューが掲載されていた。
「生き方再考する好機 世界同時不況に思う」

経済次元の問題ではなく、価値システム総体が壊れてきている。ここに気付かないと、単に不況を克服して、また復興すればいいという話しになる。そうではなく、今までの生き方、内面世界のありようで良かったかどうか、再考するかつてない好機と考えている。

金融危機は克服できるとの幻想を持って公的資金をどんどんつぎ込んでいる。だが、資本の運動はかつて例を見ないほどアナーキーになった。たった五秒で百万ドルをもうける世界。それを米国は小学生にまで勉強させた。虚が実を支配するということがあっていいのか。



「希望の国のエクソダス」村上龍
アフガニスタンの辺境の地で地雷に触れた日本人少年がマスコミの取材に答える。

なぜこんなところにいるんだ?
「あの国には何もない、もはや死んだ国だ」
この土地には何があるんだ?
「すべてがここにはある、生きる喜びのすべて、家族愛と友情と尊敬と誇り、そういったものがある、我々には敵はいるがいじめるものやいじめられるものがいない」


規制緩和には痛みが伴う、自己責任でやれ!といって進めた結果、切り捨てられた人が何十万人もいる。そしてそれは、私以外の誰かのことではない。
秋葉原で通り魔殺人した犯人は、固有名詞で呼ぶ特別な犯罪者ではなく、自分も責を負うべきこの社会の有り様だ。

「あの国にはなにもない」「ここにはすべてがある」
この小説で云おうとしている「ある」ものとはなんだろうか。

それを見つけ出さないと、日本はなにもない国になってしまう。


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Posted by クールなお at 01:00│Comments(4)community
この記事へのコメント
この記事、
私も食い入るように読んじゃいました。

「経済次元の問題ではなく、価値システム総体が壊れてきている。ここに気付かないと、単に不況を克服して、また復興すればいいという話しになる。」とは明快です。

まさしく“Re-set your mind and see the future”ですね。
でもそれがまたとてつもなく難しい...
Posted by sue at 2009年02月04日 00:34
「自己責任」・・
      ・・聞くと言いたくなります。この場をお借りします。

イラク日本人人質事件(2004)のときに、政府が言い出し、
多くのメディア、国民が同調。
(思いやりに満ちていたこの国がそうなってしまったのかぁと
 妊娠中の私は床に臥せ。)
そこには問題のすり替えがあった。
時のコイズミ首相が「日本政府は米のイラク攻撃を支持する」発言。
戦争放棄したこの国で、戦争支持して加担した結果である。
そして独裁は加速度を増す。
結局自民党も潰れたが、日本ごとぶっ壊れてしまった。
昨年、自ら幕引き。ずっこすぎる。


しかし、ピンチはチャンス!
日本は生まれ変われる。
覚めて我に返れるかどうか。
Posted by ゆいまーるゆいまーる at 2009年02月05日 06:17
もうはやく、経済成長だけがすべてを解決するという、単純でノー天気な考えは、単純なだけに人々のマインドにしっかり根付いており、
Change!はなかなか難しいのですが、
Chanceでもありますね。
Posted by クールなお at 2009年02月05日 07:32
自己責任、自助努力
商店街もさんざん言われました。

がんばれ、どんな協力もする!

このような政治家の、口だけ支援にはうんざりします。

自己責任といって高みの見物を決め込む、
己の責任を回避する。

冷たい世界です。

人々がつながり、互いに助け合う。
そんな世界を目指しましょう。
Posted by クールなお at 2009年02月05日 07:36
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