清水もつカレー総研事務局・清水ブランド大作戦事務局

2009年09月03日

葉っぱビジネス「彩」上勝町へ

徳島県庁から車で約一時間、人口2000人、高齢化率49.2%。
このなんでもない、なんにもない、どこにでもある田舎の町が、全国の注目を集めている。
年間4000人もの視察があり、このごろは海外からも来るそうだ。

30年前のこの町は、男たちは朝から大酒をあおり、女たちは陰で他人をそしり日々を過ごしていたという。
「ここはなんにもない」「ここは駄目だ」というあきらめ、負け癖、負け組根性で、時間にはルーズ。

それが今では、みんなが笑顔で、難病の人が元気になり、まちの老人ホームは閉鎖され、後期高齢者は好期高齢者といわれ、高齢者がパソコンを操り、商品の値段を判断し出荷している。


葉っぱビジネス「彩」上勝町へ
87歳のおばあちゃん、なんてんの葉をきれいに切りそろえ束ねていく。
以前はみかん農家だったそうだが、葉っぱは軽いしきれいでいいという。
実際農協へ出荷する人たちは、片手でスチロールの箱に入れられた葉っぱを持ってくる。


葉っぱビジネス「彩」上勝町へ
パソコン導入した時に「じゃあ立ち上げてみて下さい」といったら、みんなが椅子から立ち上がった、という状況からはじまり、今ではマイクロソフトと提携までしている。
大きなトラックボールを操って、今では新聞がわりに情報をとるようになったという。
そこでは、前日出荷した葉っぱが、どこの市場でいくらの値がつき、また注文に応じて出荷された商品一覧が表になり、前日の売上高が表示され、月間の売上も計算されている。
そして、彩り参加者のうち売上高が何位であるかも分かるようになっている。

これも、おばあちゃんたちが元気な理由のようだ。


葉っぱビジネス「彩」上勝町へ
この笑顔
「個」を磨く、組織ではないという。

重要なのは「町興し」「村興し」ではなく、その土地に生きる一人ひとりが目標と生きがいをもてるかどうかだと、見事に証明して見せた。---村上龍

ネッツトヨタ南国高知本店では、上意下達ではなく、社員一人ひとりに考える→発言する→行動する→反省するという参画のシステムを重視していた。
これを会議でいうワークショップではないかと感じた。専門家がいてみんなの意見を聞き、まとめていくというのではなく、参加者自らが考えまとめていく。

それを、地域リーダーがみんなを引っ張っていくのではなく、プロデューサーが一人ひとりの役割を引き出す、みんなが主役になれると表現していた。

与えられている環境(考えなくていい・変えたくない・安心感がある ノウハウ・マニュアル)

これを仕組みで意識を変える

自分で考える習慣をつける(あれやってみよう・これはおもしろい・やったらどうなる ノウホワイ センスオブワンダー) 

葉っぱビジネス「彩」上勝町へ
この人が、二十歳の時から上勝町にきて、葉っぱビジネスを成功に導いた横石知二氏(右)

そこにあるものを徹底して使う、地域資源ビジネス「葉っぱビジネス」を興した人
いろんな素晴らしい話を聞いたが、営農指導員といいながら、全くの商人だと思った。
「商売は仕組みだ」、といいその仕組みを創って意識を変え変化を起こし、地域を変えていった。

住んでいる自分のまちも、お年寄りが元気で笑顔を見せてくれる活き活きとしたまちにしたいと思う。

商店街は30年前の上勝町とまで行かないが、気分は負け組、駄目だ、あれが悪いと責任転嫁の上にいがみ合い。
日暮れかかってはいるが、朝が来ない夜はない、と思ってみる。


同じカテゴリー(まちづくり)の記事画像
みどりの日とまち
はじめてのしょうてんがい開催
はじめてのしょうてんがい
ポートサイドジャズやります
はしご酒&ほろ酔いクルーズ
ポートサイドジャズinしみず2019
同じカテゴリー(まちづくり)の記事
 みどりの日とまち (2024-05-04 09:04)
 はじめてのしょうてんがい開催 (2024-01-11 08:54)
 はじめてのしょうてんがい (2023-01-10 13:22)
 ポートサイドジャズやります (2021-04-07 09:56)
 はしご酒&ほろ酔いクルーズ (2019-08-17 12:00)
 ポートサイドジャズinしみず2019 (2019-04-20 09:39)

Posted by クールなお at 21:46│Comments(5)まちづくり
この記事へのコメント
駅前シャッター通りのパン屋です。

この葉っぱを売る四国のお年寄りの話
以前、ラジオで聴いて
とても面白かった覚えがあります。

そうなんです、
他所の話ではないんですね。

この商店街も負け組(いやな言葉です)意識が横溢しています。

もう、自分は暮らせるからと
今以上のことはしない
という人が多すぎると思います。

それなら
まだ やる気のある人に
起業しやすい条件で始めてもらう
努力が欲しいと思います。

ひと気のないシャッター商店街に
時代遅れの 古い演歌なんかが
かかっていると 
ここで 一生懸命(元の字は一所懸命ですよね)
やっている者はガッカリします。

きっと 朝が来ると
信じて やっている
おじさんパン屋です。
Posted by レザンレザンレザンレザン at 2009年09月04日 22:48
やっぱ、最終的には
人が人として、幸せに生きていける、
生甲斐をもっていられる社会っていうのが
あたりまえのことながら、あらためて考えて
行かなくちゃならないことだと思います。
Posted by チャオクボ at 2009年09月05日 23:37
>レザンレザンさん
商店街は新陳代謝がないと駄目ですね。
まだレポートしていませんが、上勝町の前日に視察した
高松丸亀商店街では、土地の所有と利用を分離した再開発で、
テナントミックスをして成功しました。

ダイナミックに根本原因を問い詰めて答えを出していかないと
小手先だけでは駄目でしょうね。

朝が来ない夜はない、にしても真っ暗ですね。

>チャオクボさん
やりがいのある仕事、働き方。
生きがいのある生活、暮らし方。
これを目指す社会を作っていきたいです。
Posted by クールなおクールなお at 2009年09月09日 11:41
清水の横石氏は、なおさんかな。
その情熱には頭が下がります。
静岡にも横石氏みたいな男がいずれ近いうちに現れるでしょう。彼と同い年の経歴の似ている奴が・・・
Posted by おっち at 2009年09月15日 11:55
>おっちさん
営農指導員としてのつとめを成功させた横石氏、そういえば経営指導員というかたがたも多く見かけるが、あまり実績を残している例を知らない。

出でよ、しずおかの横石氏。
Posted by クールなおクールなお at 2009年09月16日 07:19
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
葉っぱビジネス「彩」上勝町へ
    コメント(5)