清水もつカレー総研事務局・清水ブランド大作戦事務局

2009年11月16日

岡山 奉還町商店街

岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
岡山市の奉還町商店街に行って来ました。
大政奉還の時、池田藩の武士がいわゆる退職金(奉還金)をもらい、それも元手に商売で生計を立てていくことになり、この旧山陽道沿いに商店街を形成した。


明治維新以来の商店街で、駅に近接しているのだが、お城や後楽園のある東側と違い、安くて庶民的な下町の商店街だ。

この街が、世間に知られてきたのはコミュニティ施設「りぶら」を平成11年につくったことによる。
高度化資金を未だ返済しているが、自ら借金し土地を購入し、コミュニティのための施設を建設した。

1階にはギャラリー、トイレ、建物前のポケットパーク、商店街事務所。
2階から4階にホール。ボランティアや学生には無料で貸し出しし事業収入も維持管理費とほぼ同じくらい。

そもそも、商店街がこのようなコミュニティ施設を自分たちが借金してつくろうと思うだろうか。

「そんなことは行政のやることだ、なぜ商店街がそんなことをしなくてはならないのだ。
現実を見ろ!この売上激減、通行量減少には、コミュニティ施設などやってられるか、売り出し!イベント!、賑わい創出こそが急務だ!」
というのが商店街関係者の考えだろう。

しかし、「りぶら」には長期的な戦略があり、現在の商店街を取りまく問題へ向かっての布石だったのだ。
商店主の高齢化、後継者難、空き店舗化(シャッター街化)、衰退、資産価値の低下という悪循環への対抗策だ。

将来、店を貸したい、売りたいという時代がきっと来る、その時にむけての基盤整備だったのだ。

そして成果をしっかり上げている。

奉還町小判君神社は近くの岡山工業高校が造ったもの。高校との連携の成果の一つだ。

じつは2005年3月、愛媛県商店街連盟に呼ばれて四国へ行った帰り、奉還町へよったのだが、その時既に若者の店が多く商店街に入っていた。
しかしある店は入れ替わり、また新たに出店されていて、まちが生き物のように動いている。
店の入れ替わりがあり、新陳代謝が行われていた

岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
雑貨店、トルコ雑貨と文化屋雑貨店。若者が出店しやすい下町の商店街が変わりだしている。

岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
アート関係の書籍の専門店。
若い女の子が経営。ポスターにあるように、商店主の平均年齢を下げている。

岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
なにやら怪しい店やら、若い女の子向けのファッション&雑貨店


岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
若い店主がやっている、パスタ料理店。
棚には、ちょっと面白そうな本が並びジャズが流れている。テーブルもきちんと効率よく配置されていると言うより、まちまちで自由度が高い感じ。





岡山 奉還町商店街
岡山 奉還町商店街
インテリア雑貨店。

アンティークやリサイクル品、古い家具のリメイク品などが
オシャレにならんでいる。

かっこいい。

こんな店がある商店街なら楽しい。
若いアーティストがやっていた。



岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街
かと思えば、車で40分ぐらい離れた町のアンテナショップでは、毎日新鮮な野菜が売られ人気を集めている。

また地域の団体のうどん屋さんもある。


岡山 奉還町商店街
もと洋服生地屋さんの店舗が、いい味出しているカフェになっている。
夜はお客で一杯で、ライブなども行われるという。

岡山 奉還町商店街岡山 奉還町商店街2階も古い店舗の形状を活かし、お金をかけずに椅子などもまちまちで、ちょっと変わった空間もある。
一人で来て、一人の時間を楽しめる、一人の世界に入り込める、ボーとしていられるそんな魅力がある。


岡山 奉還町商店街
もちろん昔ながらの食堂もあって、ここの売りは「人情味」だという。

こんなおもちゃ箱のような、宝箱のような商店街だったら、若者にも支持され、空き店舗に出たい人もたくさんいる。

これは他の要因もあるだろうが、コミュニティ施設「りぶら」をつくり、地域の人と若者たちと連携を取ってきたからだといえる。

地域に根ざし、地域と共に生き、地域から逃れられなく、地域につながり、地域によって生かされている商店街が、地域コミュニティのためのことをやることが生き残り策だと言うことを、見事に実行し成果を上げているのが、岡山市の奉還町商店街であった。



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Posted by クールなお at 14:56│Comments(16)まちづくり
この記事へのコメント
 お願いした件、さっそくお取り計らいいただきありがとうございます。それにしても!おもしろそうだねー、ここ。うどんやさんに行ってみたい。
Posted by さわ at 2009年11月16日 20:12
>さわさん
こういうまちにすることが、生き残りの方向だと思うね。
今も商店街の活性化プランを立てようとする人たちと懇談してたとこ。

数ある店の紹介の中で、食べ物かい?
Posted by クールなお at 2009年11月16日 21:18
例えば、商店街で何かをやってみたいと
思ったときに、その想いを聞いてくれるという
オープンな雰囲気、受け皿があるといいですね。

それは、役所も同じですね。
公園を貸して欲しい、橋上通路は使えないか?
そういう思いを「じゃあチャレンジしてみる?」と後押しを
してくれるような体制を作らなきゃ、活性化の計画を作ったっても
進んで行かないような気がします。
Posted by チャオクボ at 2009年11月20日 21:15
>チャオクボさん
オープンな雰囲気大事ですね。
それと、ネットワークですよね。
知っている人がいるとなれば、その人にまず聞いてみようと言うことになります。

そうするとコーディネートする組織、間に立つ人、中間組織みたいなつなぐ仕組みも大事です。

自分の組織を守ろうと本来の目的を見失っていたり、閉鎖的になっていたりすることが多いです。

風通しのいい社会を目指したいです。
Posted by クールなお at 2009年11月21日 09:58
こんにちは。先日はお立ち寄り頂きましてありがとうござました。
現代アートショップのSatelliteです。奉還町をご紹介頂きましてありがとうございました。地元岡山での人の流れが変わるように頑張りたいと思います。またぜひ遊びにいらしてみて下さい。
Posted by Satellite at 2009年12月21日 12:00
>Satelliteさん
こんにちは。
きらびやかな商店街でなくても、人とのつながりで、多様性のあるまちが面白いですね。

自分たちがコミットできる商店街、奉還町はそんなところで若い人たちに人気があるのだと思います。
Satelliteさんのような店があるとまちは楽しい。

元気がないといわれている商店街ですが、奉還町はいいです。

みんなミニ東京じゃつまらない。
がんばって流れを変えましょう。
Posted by クールなおクールなお at 2009年12月22日 18:11
先日は、ありがとうございました。
皆さんとお話し出来て楽しかったです。
次にいらして下さった時にはもっと賑やかになっている様に頑張ります!
この夏に向けて様々なプロジェクトも進行中です。
機会がありましたら、ぜひまた夏にいらして下さい。
Posted by Satellite at 2010年03月13日 13:37
>Satelliteさん
またお会いできてよかったです。
またおじさん達のつっこみにも、ていねいに答えてくれてありがとうございます。
それに楽しかったです。

あなた達のような若い人たちが、
>もっと賑やかになっている様に頑張ります!

これってうらやましい。
日本の商店街を救う道がここにある!!
これを示すよう頑張ってください。
Posted by クールなおクールなお at 2010年03月14日 08:05
こんにちは。
周りの皆んなでアイデアを持ち寄って
面白そうな事を色々と企画中です。
まずは来月『ペチャクチャナイト』を開きます。
浜松でも開催されているようですがご存知ですか?
まずは自分たちが楽しめる街にしたいですね。
出来る事から一つずつ実行して行きたいと思います。
頑張りま~す!
Posted by Satellite at 2010年03月19日 14:52
Sateliteさま

はじめまして。
静岡の新井と申します。

瀬戸内国際芸術祭が今年開催されるのですね。
以前、ベネッセアートサイト直島には、
地中美術館関係者のお取り計らいでお邪魔したことが有ります。
島全体もまるで美術館のようなつくりになっていて別世界のようでした。
福武さん自らが総合プロデュースされるのであれば更に期待できます。
機会が有れば、是非ともお邪魔させて頂きたいです。

楽しそうなぺちゃくちゃナイト、がんばって下さい。

ではではー。
Posted by 新井一業 at 2010年03月19日 15:39
>Satelliteさま
『ペチャクチャナイト』は知らないですが、
静岡で『金曜しゃべらナイト』というのをやっています。
2~3人がテーマについて話したあと、その人を中心にグループでおしゃべりし、スピーカーがグループを変えて意見交換していくというものです。
最後にはPRタイムと、自己紹介タイムがあり、ネットワークを作っていくというものです。

人つながりが薄くなっているので、結びつける仕掛けも必要ですし、それを求めているのも良くわかります。

頑張ってください。
うーん、うらやましい奉還町。
Posted by クールなおクールなお at 2010年03月20日 10:38
何だか交換日記みたいになってますね。

先日も北川フラムさんの講演がありましたが
瀬戸内国際芸術祭は、すごく面白くなりそうです。

世界中から人が集まる瀬戸内国際芸術祭という
ビックイベントにも関わらず岡山の行政は
何もしないと決めているそうです。
もったいないので、気付いた人たちで働きかけて、
岡山でのボランティアを募集したり告知したり、
岡山事務局を奉還町に誘致中です。
動かない人たちを責めても何も状況は変わらないので
自分たちの出来る事を積み重ねて行こうと思います。

瀬戸内国際芸術祭に直行で、岡山駅を素通りされないように
色々な仕掛けを取り付けようと動いています。
ノロノロしていて停滞中ですが、これから追い上げます!
ゴールデンウィークに向けての仕掛けにも取り掛からないと。

きちんと結果が出せるように頑張ります。
Posted by Satellite at 2010年03月22日 17:51
satelliteさん
アートがまちを活性化する、という意識を行政は持つべきだと思います。
今、モノは買わないものね。
それよりも自分の心に響く「コト」をみんな求めている。

行政にはあまり期待できない。

最近、駅前の再開発がどうもうまくいっていない。古いものを壊して、新しくミニ東京を作っても魅力がない。小
売り販売額が落ちているのに再開発で床を増やしても意味がない。

奉還町は古いもの(商店街)をリノベーション(それはSatelliteさん達がやっていること)して、新たな魅力を作り出している。

高松丸亀がいま、全国で注目を集めているけど、私は奉還町の法がすごいと思っています。

ぜひ頑張って、日本一の商店街の成功事例としてください。
岸さんにもよろしく云ってください。
Posted by クールなおクールなお at 2010年03月23日 18:29
こんにちは。
アートやデザインや建築の経済効果とか計り知れないと思うのですが、
行政は無関心みたいですね。
岡山駅は大改装というビックチャンスだったのに、いまいちなデザインです。
建築を見る為に移動する人たちの多さとか、街の知名度やイメージアップとか、
つまんないチラシやポスターやリーフレットをお金をつぎ込んで配布するよりも、
すさまじく効果的で生産性があると思うんですけどね。
プロジェクトのプレゼンテーションの為に、駅周辺だけでどれくらいの経済効果かあるか
調べて資料を作ろうと、県や市に通行人調査データを尋ねたのですが、電話で延々と
トンチ問答みたいなやり取りをした挙句、まともなデータを持っていなくてビックリしました。
経済の要のデータでしょうに、やる気なさ過ぎでしょう。。。

今度いらした時には、ぜひ、このショップのリノベーション見学にお付き合い下さい。
店舗の2階は戦後すぐの町屋造りになっていて、店舗の奥には一軒家も付いてます。
最初に一人で黙々と2カ月ひたすら掃除したんですよ~。
見て下さった方はすごく喜んで下さいます。 
活かしきれていないのが悲しいとこなんですが。。。
Posted by Satellite at 2010年03月28日 15:03
>Satelliteさん
行政は、効果、成果というものをチェックできる体制がない組織だと思います。
事業にたいしては、記録や手続きの書類に重きを置いて、成果にはあまり関心がない。
これは、これこれの事をやりましたという、自分のアリバイ造りを優先し、これだけやって成果が出なかったのは、住民のやる気がなかったとか、社会情勢が悪かったとかいう言い訳づくりが、仕事の中身、本音だからです。

最近は、あるものをつぶして、つまんない再開発するよりは、あるもの生かしのリノベーションの方がずっとかっこいい。
手間暇かけて、再生すれば愛着がわく。

以前のものをさらにして、建築業者(それも中央とか他地域の)に全部任せてお金で新しいものを作る、こういう時代ではないと思います。

そんな意味で奉還町はエライ、satelliteさんとこもエライ、と私は思います。
Posted by クールなおクールなお at 2010年04月02日 10:09
こんにちは。
昨日の夜、イベントが終わって少し精神的にラクになりました。
多くの皆さんにお手伝い頂いて楽しい時間を過ごす事が出来ました。
これから定期的に開催予定なので、次に繋いでいく作業が待っています。

何事も大きな目的があっての小さなプロセスの積み重ねだと思うのですが、
行政は年度単位でしかモノを考えないのか、「何かやったみたいに見える」と
いう目先だけのごまかしみたいな仕事をしない気がします。
個人では取り組めない大きな枠を整備していくのが行政だと思うのですが、
垂れ流しみたいな仕事の仕方でもったいない限りです。

今回のイベントで奉還町にも足を運んで頂いて、「何かを発信している」と
いうイメージを持って貰えればと思っています。
まずは一緒に楽しい時間を共有する事が最初のスタートで、そこから色々と
派生して行けば色んな展開が出来ると思います。
その時に自分がどこまで想像力と実行力を発揮できるかが問われると
思うので、もっともっと勉強して身軽でいたいと思います。
Posted by Satellite at 2010年04月15日 16:37
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